摂食障害情報センター

入院の要・不要を判断する基準とは

摂食障害の治療には、通院治療と入院治療があります。
摂食障害で入院治療が必要になるのは、例えば
拒食症で栄養状態が著しく低下している
過食嘔吐や下剤乱用で電解質異常がみられる」など、
身体の状態が危険と判断されたときです。

 

また、自殺企図があって自傷行為を繰り返していたり、
家庭内暴力があったり、うつ病の症状も合併していたり…など、
精神状態が不安定で、
患者自身や家族を傷つける可能性があるような場合にも入院を勧められます。

 

精神的な疾患を併発していると、
家族だけではサポートしきれないケースが多いのです。
入院することによって家族と一定期間距離を置き、
お互いに心を休ませることが入院治療の目的の一つと言えるでしょう。

 

入院中は、心理的な治療と身体的治療を合わせて行います。
身体の状態が極端に悪い場合は、
まずは身体的治療を優先して栄養状態の回復を図ります。
そのため、精神科ではなく内科に入院するというケースも多いようです。

本人が入院を拒否する場合は?

摂食障害の患者さんの多くは、当然のことながら
入院治療を必死に拒否します。

 

なぜかと言うと、入院してしまうと
自分で食べる物や量をコントロールできなくなってしまうから。

 

「こんにゃくだけ」「わかめだけ」
「野菜だけでお肉は食べない」「炭水化物は避ける」
といった厳格なルールを決めている拒食症患者にとっては、
食べる物を自分で選べない状況というのは非常に不安な状態なのです。

 

また、過食症患者の場合は、
好きな時に過食したり嘔吐したりすることができなくなり、
「体重をコントロールできなくなってしまう」ことに対して不安を感じるようです。

 

では、「絶対に入院は嫌だ」と言われてしまった場合、
家族はどう対処すべきなのでしょうか?

 

その場合、黒川体重設定療法(KTWT)という治療法が有効です。
これは「入院体重設定療法」とも呼ばれ、
患者との間で“入院しなければならない体重”を設定し、
もし、その体重を割り込んだ場合は入院する
…という条件をつけて体重アップを目指していく治療法なのだとか。

 

これまで8割を超える完治率だといいますから、
効果は十分に期待できそうですね。

入院によって得られるもの、得られないもの

摂食障害の入院治療では、身体的・精神的な回復はもちろんのこと、
表面的な症状の背景となっている歪んだ自己概念や対人関係、
心の奥にあるトラウマなどに気付くことができます。

 

これらのことが摂食障害の根本的な原因になっているケースも多いため、
「入院治療することによって気持ちがラクになって症状が軽くなった」
と感じることも多いのだといいます。

 

また、患者さんによっては、
3食の量と睡眠時間が定められた「保護的環境」下で規則正しい生活を送ることで、
症状がみるみる回復していくこともあります。

 

とはいえ、入院したからといって摂食障害が完治するわけではありません!!
治療効果は人によって異なりますので、入院中の回復の速度は人それぞれ
「あの人よりも自分のほうが回復が遅い」と気にしたり、
入院治療に過大な期待感を持つことは危険です。

 

入院治療にしろ、在宅治療にしろ、摂食障害の治療に際しては
自分のペースでゆっくり治していこう
という心の余裕を持つことが治療成功の鍵と言えるでしょう。

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