摂食障害情報センター

肥満対策があだとなったアメリカ

旅行や出張でアメリカに行くと、まず驚くのが食事のボリューム!
「こっ…、こんなハンバーガーを一人で食えと??」
…と戸惑ってしまったという経験をお持ちの方も多いハズ。

 

ファーストフード文化が根強いアメリカは、
長年「肥満大国」と言われ続けてきました。
しかしここ数年、そんな汚名を返上すべく「健康ブーム」が到来!
太っている=自己管理ができていないとみなされることも多いようで、
デキる男たち・女たちはダイエットに励んでいるんです。

 

健康ブームに伴って、ヘルシーな和食にも人気が集まっているのだとか。
実際アメリカでは、お肉や脂肪の摂り過ぎが影響していると言われている
「大腸がん」の患者数も年々減少しているんです。
(一方で、日本では大腸がんが増えているんですけどね…)

 

ところが、思わぬ弊害が。
「痩せなくちゃいけない」という意気込みや努力が逆効果となり、
極端なダイエットなどに走って摂食障害になってしまう人が増えているというんです。

 

アメリカで摂食障害を患う女性は約100〜500万人、
男性は約100万人もいると推測するデータもあるくらい。
(最近では、男性の摂食障害患者はもっと多いという報告もあるようです。
男女比が1:3くらい)

 

さらに、摂食障害で命を失う方も年に数万人いるというから自体は深刻です。

 

カーペンターズのボーカル、カレン・カーペンターさんの死は、
摂食障害の恐ろしさを世界中に知らしめるきっかけにもなりましたよね。

アメリカの女子大生も摂食障害と戦っている

アメリカで特に問題視されているのが、若い女性の摂食障害。
女子大生の4〜5%以上が過食症だというデータがあるほどです。

 

アメリカ東部ノースイースタン大学では、過去に、
過食症の女子大生たちがトイレに流した大量の胃酸によって下水道が腐食してしまい、
取り換えが必要な状態になっていたという話もあります。

 

ダイエットから過食症になってしまった女子学生たちは皆、
ほんの少し食べただけでも「太ってしまうのではないか」と恐れ、
食べたものを嘔吐するようになっていたのです。

 

冗談みたいな話ですが、決して笑い話などではありません。
こんな事態になってしまったのは、やはり「痩せている=キレイ、
かっこいい」と称賛する風潮があるからではないでしょうか。

 

最近でこそ、「痩せ過ぎのモデルはショーに出さない」
といった対策が取られるようになりましたが、
かつては痩せていること=美と捉える向きがあったことは否めません。

 

もちろん、日本でも同様のことが言えるでしょう。
痩せた女優さんやモデルに憧れて始めたダイエットで
摂食障害という“深み”にハマってしまった…
というケースは珍しくありません。

 

キレイな女優さんに憧れる気持ちを否定するつもりはありませんが、
自分の身体を痛めつける事態になってしまうようでは本末転倒です。

オススメの本

アメリカで発売されたJenni Schaeferさんの著書『Goodbye Ed, Hello Me:
Recover from Your Eating Disorder and Fall in Love with Life"』

 

この本には、「摂食障害は必ず克服できる病気
…という著者の強いメッセージが込められています。

 

著者は、“Eating Disorder“の頭文字を取って摂食障害を「ED(エド)」と名付け、
エド=一人の男性と捉えて摂食障害と付き合っていきます。

 

エド=摂食障害は、彼女にとって「自分を虐待する夫」のような存在。
愛しているけど、強い憎しみを感じる対象でもあります。

 

そして最終的には、エドと離婚=摂食障害を克服することに成功!

 

摂食障害を愛する夫に見立てる辺り、センスが良いですよね。
臨床家に向いているのでは?なんて思ってしまったり…。

 

アメリカ的な発想といえばそんな気もしないでもありませんが、
日本人が読んでも十分共感できる内容です。
摂食障害と決別したいという想いを持っている人にぜひオススメしたい一冊です。

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